アレルギー性鼻炎は妊娠した子供にも遺伝するのでしょうか。遺伝する場合はなにか対処法はあるのでしょうか。つらいアレルギー性鼻炎を遺伝させたくはないですよね。
今、アレルギー性鼻炎の人は増加傾向にあると言われています。
増え始めたのはつい最近のように思われていますが、実を言うと1970年くらいから多くなってきているんですよ、1970年、今が2016年ですから、45年以上前になりますね。
ちょうど1970年に生まれた人だと46歳になります。もう結婚して妊娠して子供を生んでいたとしてもおかしくない年齢です。
2016年の今もアレルギー性鼻炎に悩む人が増えている…。
そんな話を聞いたら「子供に遺伝するのでは?」と不安になってしまうのも無理はありません。実際、両親のどちらかがアレルギー性鼻炎だと子供もアレルギー性鼻炎を発症しやすくなるんです。
アレルギー性鼻炎は妊娠した子供に遺伝するって本当?
アレルギー性鼻炎を持つ両親が妊娠し、その両親の間に子供が生まれると、子供はアレルギー性鼻炎になりやすい体質になります。
ただしアレルギー性鼻炎そのものが遺伝するのではなく、アレルギー性鼻炎になりやすい体質が遺伝するんですね。アレルギー性鼻炎の人はIgEという抗体をたくさん作り過ぎてしまうんです。
このIgE抗体というのが「アレルゲンが入ってきたからやっつけるぞ!」と働くのですが、IgE抗体がアレルゲンである花粉や埃をやっつけるためにくっつくと、アレルギー症状を起こすヒスタミンが出てきます。
両親もしくはお母さんやお父さんのどちらかがアレルギー性鼻炎を持っていると、このIgE抗体をたくさん作り出す体質が、妊娠した子供に遺伝するんですね。だからアレルギー性鼻炎の両親から生まれた子供はアレルギー性鼻炎になりやすくなるんです。
遺伝させたくないんだけど、なにか対処法ってあるの?
アレルギー性鼻炎は妊娠した子供にも遺伝すると言われていますが100%ではないんですね。
意外と確率は少なくて、お母さんとお父さんのどちらかがアレルギー性鼻炎だと30%、両親ともアレルギー性鼻炎だと50%の確率なんです。2分の1の確率で遺伝する、ということですね。
アレルギー性鼻炎を経験した人ならわかるかと思いますが、アレルギー性鼻炎ってとてもつらいんです。鼻がつまって鼻水がひっきりなしに出てきて、1日も何十回もクシャミが出て…。
自分の子供にそんなつらい思いをさせたくない!という気持ちもわかります。でも、アレルギー体質を妊娠した子供に遺伝させないようにする対処法はないんですね。
子供がお母さんとお父さんの遺伝子を受け継ぐのは当たり前のことなので、防ぎようがないんです。対処法があるとすれば“アレルギー性鼻炎を発症させないようにすること”。
みなさんは「子供だけアレルギーで両親はアレルギーじゃない」なんて話を聞いたことはありませんか?アレルギー性鼻炎になりやすい体質だからといって必ず発症するわけではないんです。
発症させないようにする対処法は生活環境からアレルゲンを取り除いてあげること。
病院でお医者さんと相談しながら、なににアレルギーを持っているのかを調べて、例えばそれが食べ物だったら食べさせないようにする、などが対処法として挙げられますね。
まずは埃だらけの部屋にならないよう、部屋は毎日きちんと掃除しましょう。ダニやカビ対策も忘れずに行い、最近増えてきている食べ物アレルギーにも気を使って下さい。
妊娠中に気をつけなければいけないことって他にはある?
アレルギー性鼻炎は妊娠した子供に遺伝することがわかりましたが、もしお母さんがアレルギー性鼻炎を持っているなら気をつけなければいけないことがもう1つあります。それは妊娠中のアレルギー性鼻炎の治療です。
妊娠中に薬を飲んではいけないという話を聞いたことはないでしょうか。薬はお腹の中の赤ちゃんに悪影響を与えるので、最悪の場合、赤ちゃんに障害が起こることもあるんですよ。気にしなければいけないのは遺伝だけではなかったんですね。
妊娠すると“妊娠性鼻炎”が発症し、アレルギー性鼻炎が悪化する可能性があるんです。そうすると症状がひどいのに薬が飲めない、という状態になるんですね。妊娠中の薬はNGですが、妊娠中のイライラやストレスも赤ちゃんにとってはNGなんです。
参考:アレルギー性鼻炎の薬、小児用はある?子供も飲めるものは?
なのでアレルギー性鼻炎のお母さんは、妊娠したら必ず「アレルギー性鼻炎であること」をお医者さんに相談するようにしましょう。妊娠した子供に遺伝しないかどうかというのはもちろん不安ですが、それ以上にまずは無事に生まれてきてくれることが大事なんです。
まとめ
アレルギー性鼻炎が妊娠した子供に遺伝するのは避けられないんですね。ですが“発症させないようにする”ことはできるので、しっかり対処していきましょう。
また、大人と子供のアレルギー性鼻炎の症状はちょっとだけ違ってきますから、子供の様子をしっかり見ておくことも大事です。
なにか「おかしいな」と思うところがあったら、すぐ病院で適切な検査と治療を始めて下さいね。