アレルギー性鼻炎の治療法に手術があります。手術は費用がかかりますが、完治の可能性は高いんでしょうか。どのくらい期待できるのか詳細を調べてみました。
長い間アレルギー性鼻炎に悩まされている人、非常に症状が重たい人、薬を飲んでいてもあまり症状が緩和されない人。「もしアレルギー性鼻炎を治せたら…」と考えたことがあるのではないでしょうか?
でも、手術をして治すと言われてもなかなかピンと来ないですよね。そこで、アレルギー性鼻炎の手術について詳しくご紹介していきます。
アレルギー性鼻炎の治療法に手術があるって本当?
アレルギー性鼻炎の治療法は2つあると言われているんです。1つは症状を少しでも緩和する治療法、投薬。つまり薬を飲んだり点鼻薬を使ったり、というものですね。
そしてもう1つが手術なんです。
アレルギー性鼻炎の手術は本当にあり、実際に受けている人もいらっしゃるんですよ。ここで気になるのがどうやって手術をするのか、ですよね。
- レーザー治療
なにかと耳にする機会が多いレーザー治療。アレルギー性鼻炎の場合、使用するのは炭酸ガスレーザーです。炭酸ガスレーザーをどのように使うのかと言いますと、鼻の粘膜に照射して人為的に火傷を起こさせるんです。火傷した部分は固くなるのでアレルギー反応が起きにくくなる仕組みなんですね。
- アルゴンプラズマ凝固
アルゴンプラズマ凝固も基本的には“鼻の粘膜を固くさせる”のが目的です。ただし使用するのは炭酸ガスレーザーではなく“アルゴンガス”なんですね。
炭酸ガスレーザーですと表面のみしか固くできないのですが、アルゴンガスなら奥の方まで固くさせることができるんです。そのため効果が高いうえに持続すると言われています。一般的にアレルギー性鼻炎の手術といえばこばレーザー治療とアルゴンプラズマ凝固のどちらかになります。
費用はどれくらいかかるの?完治するの?
次に気になってくるのが費用と完治するのかどうか、ですね。費用に関してはさほど高くありませんので心配する必要はないでしょう。
レーザー治療ですと9,000円程度です。病院によって若干費用は変動するものの、9,000円より少し安いか高いくらいだと考えておくと良いかと思います。
アルゴンプラズマ凝固の場合は8,000円前後と見ておきましょう。レーザー治療よりもアルゴンプラズマ凝固の方が、わずかではあるものの費用が少なくて済むんですね。
病院だけでなく症状の重さによっても費用が変わってくることがありますので、実際に病院へ行ってお医者さんに相談してみなければ正確な費用はわかりません。ちなみに、アレルギー性鼻炎の手術は保険が適応されるんですよ。だからこんなに安くて済むんですね。
完治についてですが、レーザー治療とアルゴンプラズマ凝固の場合、効果があるのは「鼻づまり」「鼻水」「クシャミ」のみです。目に関してはまったく治療を行いませんので花粉症の症状によくある「目のかゆみ」は改善されません。
鼻づまりと鼻水に関しては手術を受けた8割近くの人が効果を実感していると言われています。クシャミはそれより少し数字が下がり、7割になっていますね。
入院は必要なの?手術のあと注意することはある?
レーザー治療とアルゴンプラズマ凝固は入院の必要がありませんので日帰り手術となります。所要時間は準備を除いて10分程度なので、ほとんど時間はかかりません。どんなに長くても30分と見積もっておけば大丈夫でしょう。
注意点としては、手術のあと2週間から3週間程度、鼻炎の症状が今までにないくらいひどくなることです。火傷を起こしているため鼻血が出やすくなっており、粘膜を再生させようとかさぶたができ始めますので鼻の中がゴリゴリとなにかが詰まっているような感じになります。
手術をしてしばらくは病院に通い、鼻の中をきれいに掃除してもらわなければならないんですね。アレルギー性鼻炎の症状が重く、効果が見られない場合は何回か手術を行う必要も出てきます。期間が長引くので人によってはつらいと感じるかもしれません。
レーザー治療やアルゴンプラズマ凝固は設備の整った耳鼻咽喉科で受けられます。
まとめ
アレルギー性鼻炎を治すための手術、完治とまではいかなくても期待度は高いようですね。
レーザー治療やアルゴンプラズマ凝固でいっさい効果が出なかった人には「後鼻神経切除術」という道も残されています。鼻水とクシャミに関わっている神経を切断してアレルギー反応を起こさなくさせる方法なのですが、入院が必要となり、手術の際も全身麻酔を使います。
そのため費用は片側で10万近くとかなりの金額にまで上がるのです。
手術の内容も費用もあまり現実的ではありませんが、9割以上の人が効果を実感している手術と言われています。何をしてもアレルギー性鼻炎が良くならなかった場合は検討してみる価値があるでしょう。